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264 バイト追加 、 2022年10月17日 (月) 07:28
[[伊邪那美命]]が、火の神である[[火之迦具土神]](軻遇突智)を産んだために陰部に火傷を負って亡くなった<ref name="平藤2013a_p80" /><ref name="平藤2013b_p81">平藤 2013b, 81ページ(イザナミ)</ref>。伊邪那岐命が[[伊邪那美命]]の遺体にすがって泣いていると、彼の涙から[[泣沢女神]]が生まれた。その後伊邪那岐命は[[火之迦具土神]]を殺し(その血や死体からも神が生まれる<ref group="私注">ここから生まれた神々は秦氏と関連するように思う。</ref>)、出雲と伯伎(伯耆)の国境の比婆山に埋葬した。なお日本書紀には伊邪那美命の生死や埋葬場所について異伝がある。
伊邪那岐命は、伊邪那美命に逢いたい気持ちを捨てきれず、黄泉国(よみのくに)まで逢いに行った。黄泉の火で調理した料理を食べてしまった伊邪那美命は最初こそ夫の勧めを断るが、やはり愛しい夫が逢いに来てくれたことだから自分も帰りたいと考え、黄泉津神たちと話し合うことにするが、その間は「決して覗いてはいけない」と言った。しかしいつまで経っても伊邪那美命が帰って来ないため、伊邪那岐命は妻との約束を破ってしまうが、そこで見てしまったのは、腐敗して蛆にたかられ、八雷神(やくさのいかづちがみ)に囲まれた最愛の妻の姿であった。その姿を恐れて伊邪那岐命は地上へ向かって逃げ出してしまう<ref name="平藤2013a_p80" /><ref name="平藤2013b_p81" />。追いかけてくる八雷神、予母都志許女(よもつしこめ)に髪飾りから生まれた'''葡萄'''、櫛から生まれた筍、黄泉の境に生えていた'''桃の木の実'''(意富加牟豆美命、おほかむづみ)を投げながら難を振り切った<ref group="私注">[[呪的逃走]]のモチーフがみられる。伊邪那岐命が使用している逃走アイテムは女性([[西王母]])の持ち物といえ、「[[逃走女神]]」の神話から派生したものと考える。それのみでなく、暗に伊邪那岐命と[[伊邪那美命]]の争いに対し、[[西王母]]が伊邪那岐命を守護しているという暗喩になり得る。が伊邪那岐命を守護しているという暗喩になり得る。また、'''葡萄'''はディオニューソスのトーテムでもあり、冥界との出入りが行える境界神、特に「殺す神」として性質が一致する点も興味深く感じる。</ref>。
最後に伊邪那美命が追って来たが、伊邪那岐命は黄泉国と地上との境である[[黄泉比良坂]](よもつひらさか)の地上側出口を千引きの岩とされる大岩で塞ぎ、伊邪那美命と完全に離縁した。岩の向こうから伊邪那美命が「お前の国の人間を1日1000人殺してやる」と言うと<ref name="平藤2013b_p81" />、伊邪那岐命は「それならば私は産屋を建て、1日1500の子を産ませよう」と言い返した。
その後、伊邪那岐命が黄泉国の穢れを落とすために「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(檍原)」で禊を行なうと様々な神が生まれた。最後に、左眼から[[天照大御神]]、右眼から[[月読命]]、鼻から[[須佐之男命]]の[[三貴子]]が生まれた<ref>平藤 2013a, 81ページ(イザナキ)</ref><ref group="私注">[[盤古]]神話と一致する。</ref>。伊邪那岐命は三貴子にそれぞれ[[高天原]]・夜・海原の統治を委任した。
しかし、[[須佐之男命]]が母親のいる「根之堅州国」へ行きたいと言って泣き止まないため[[須佐之男命]]を追放し、'''自身は淡道の多賀の幽宮に篭った'''<ref group="私注">伊邪那岐命の死を暗示している。</ref>。『日本書紀』では、[[須佐之男命]]の追放を決めた後、[[須佐之男命]]が根の国に行く前に高天原に行く事を許可してから、淡路の「幽宮」(かくれみや)に静かに隠れたか、天の「日之少宮」(日のわかみや)に留まり宅んだ<ref>「日本書紀 (一)」 岩波文庫</ref><ref group="私注">これは伊邪那岐命の境界神といての性質を現してるように思う。</ref>。

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