神話によるとミーノース王は、クレータ島における王位に就いた後、クレータ島の統治を巡って、'''ミーノース王とその兄弟で争いが起きた'''。そのためミーノース王は[[ポセイドーン]]に祈り、神が支持していることの証として、美しい白い雄牛(一説では黄金)を送って欲しいと願う。後で生贄に捧げるという約束をミーノース王にさせた上で、ポセイドーンは雄牛を与える。しかし、雄牛の美しさに夢中になった王は、ポセイドーンとの約束を違え、別の雄牛を生け贄として捧げ、白い雄牛は自分の物にしてしまう。これに激怒したポセイドーンはミーノース王の后・パーシパエーに呪いをかけ、后が白い雄牛に性的な欲望を抱くように仕向ける。悩んだパーシパエーは名工の[[ダイダロス]]に命じ、密かに雌牛の模型を作らせる。そして彼女は自ら模型の中へと入って雄牛に接近し、思いを遂げた。結果、パーシパエーは牛の頭をした子供・ミーノータウロスを産むこととなった。
星を意味する'''アステリオス'''(Asterios)と名づけられるが、「ミーノース王の牛」を意味するミーノータウロスと呼ばれる。呉茂一によると、「アステリオス」という名は、[[ゼウス]]の別号である「アステロペーテース(雷光を投げる者)」と同じ名であるという<ref>文庫版『ギリシャ神話 下』新潮社刊、1979年、42ページ</ref><ref group="私注">[[炎帝神農|炎帝]]型の雄牛神に天候神の性質、星神の性質があったことが示唆される。[[ゼウス]]の別名が冠されるところは、[[ゼウス]]から別れた神であることが示唆され、「新しいゼウス」という意味の[[ディオニューソス]]との関連が示唆される。</ref>。
ミーノータウロスは成長するにしたがい乱暴になり、手におえなくなる。ミーノース王はダイダロスに命じて'''[[迷宮]]'''(ラビュリントス)を建造し、そこに彼を閉じ込めた。そして、ミーノータウロスの食料としてアテーナイから9年毎に7人の少年、7人の少女を送らせることとした。アテーナイの英雄[[テーセウス]]は3度目の生け贄として自ら志願し、ラビュリントスに侵入してミーノータウロスを倒した。脱出不可能と言われたラビュリントスだが、ミーノース王の娘・[[アリアドネー]]からもらった糸玉を使うことで脱出できた。