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148 バイト追加 、 2022年10月13日 (木) 19:06
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==== 私的解説・アタランテー ====
女狩人のアタランテーは[[西王母型女神]]で、「黄金の林檎」は彼女のアイテムであることが示唆される。彼女が林檎を拾う場面は、黄泉の国から逃げる[[伊邪那岐命]]が[[蟠桃|桃]]の実を投げる場面を彷彿とさせるが、ともかく、黄金の林檎が本来はアタランテーに属するものであることを伺わせる。アプロディーテの助力を得るヒッポメネースは[[黄帝型神]]といえる。「黄金の林檎」はアプロディーテの持ち物でもあるので、アプロディーテが上位の[[西王母型神]]で、アタランテーが下位の[[西王母型女神]]である[[嫦娥]]といえる。倒されるといえる<ref group="私注">ただし、中国神話で「婚姻の女神」といったら[[西王母]]よりも[[女媧]]の方が、その性質が強いように思う。</ref>。倒される[[炎帝型神]]が登場しない代わりに妻となる女性と[[黄帝型神]]が競争で勝負する物語となっている。本来は[[伊邪那岐命]]の冥界からの帰還のように、「異界で妻で得る話」と「[[呪的逃走]]」が組み合わさっていた伝承が変形したものと思われる。妻を得る話なのに、妻から逃げる話(「競争」という形式で)にもなっているのである。[[伊邪那岐命]]の冥界下りもそのような話といえる。結婚が不幸になって、夫にも不幸が訪れる点は[[羿]]神話と共通している。
ヒッポメネースの「Ἱππο」(英語ではhippos)とは「馬」のことなので、アタランテーは馬と結婚して不幸になった[[馬頭娘]]も彷彿とさせる。ヒッポメネースを馬として見た場合は[[炎帝型神]]の性質も混在している、といえる。そして、多くの馬娘婚姻譚では夫婦の双方が不幸になることも共通している。ただし、西欧の神話なので蚕の起源譚とはなっていない。
=== ヘスペリデスの園 ===
[[ヘスペリデス|ヘスペリデスの園]]は[[ヘーラー]]の果樹園で、世界の西の果て、あるいは北方の[[ヒュペルボレイオス|ヒュペルボレイオス人]]の国にあるとされた<ref name="高津230">[[#高津|高津]]、p高津、p.230。</ref><ref name="高津240">[[#高津|高津]]、p240。高津、p240。</ref>。そこに不死を得られる黄金の林檎の林があり<ref group="注">あるいは1本だけ植えてあったともされる。</ref>、不死の百頭竜と[[ヘスペリデス]]がその番人としておかれていた<ref name="高津240" />。この林檎の木はヘーラーと[[ゼウス]]の結婚の際に、[[ガイア]]から贈られたものである<ref name="高津230" />。[[ヘーラクレース#.E5.8D.81.E4.BA.8C.E3.81.AE.E5.8A.9F.E6.A5.AD|ヘーラクレースの十二の功業]]の11番目は、ヘスペリデスの園からこの黄金の林檎を盗み出すことだった<ref name="高津240" />。
=== 不和の林檎とパリスの審判 ===

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