中国と日本の馬娘婚姻譚では、馬は娘の父親に殺されることが多い。
=== アタランテー ===
女狩人であったアタランテーは、とても美しかったが、結婚には消極的だった。神託で、結婚すると不運が訪れると告げられていたからである。狩りに参加したアタランテーが毛皮を手に入れた後、彼女を結婚させようとした父は、娘に約束をさせた。求婚者は彼女と徒競走をして、求婚者が負ければ殺されるが、もし求婚者が勝てば、彼女はその者と結婚する、という約束であった。脚に自信のあったアタランテーは、喜んでその約束に応じた。
彼女は多くの競争相手を振り切って走った。[[ヒッポメネース]]、あるいはメラニオーンは、まともに争ってはアタランテーに勝てないことが分かっていたので、女神[[アプロディーテー]]に祈りを捧げて助けを乞うた。アプロディーテーは彼に3つの黄金の林檎を与え<ref group="注">リンゴではなくマルメロだとされる場合もある。</ref>、それを1つずつ落としてアタランテーの気を逸らすよう教えた。ヒッポメネースがその通りにすると、アタランテーはそれぞれの黄金の林檎を拾うために、走るのをやめて立ち止まった。こうして、ヒッポメネースはアタランテーに勝利し、彼女を得たのである。しかし、ヒッポメネースは女神に感謝することを忘れたので、ライオンに変えられてしまったという<ref group="注">別の説では、後にアタランテ―とともに狩をしていた途中に、ゼウスの神域で交わったため、ゼウスの怒りを買ってライオンに変えられたともされる(高津)、p.19。</ref>。(「[[黄金の林檎#アタランテー]]」より転記)
== 馬娘婚姻譚の文献 ==