三神はユミルを解体し、血から海や川を、身体から大地を、骨から山を、歯と骨から岩石を、髪の毛から草花を、睫毛からミズガルズを囲う防壁を、頭蓋骨から天を造り、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリに支えさせ、脳髄から雲を造り、残りの腐った体に湧いた蛆に人型と知性を与えて妖精に変えた。
== 私的解説 ==
ロッパ族の伝承からは、「火神牛」とは「火の神」である「[[祝融]]」のように思われる。「鉄神牛」とは「鉄の額」を持つと言われている「[[蚩尤]]」のことではないだろうか。[[蚩尤]]を倒したのは[[黄帝]]のはずだが、ロッパ族の伝承では、[[黄帝]]が既に[[祝融]]に置き換わっている。これは[[啓思想]]5型の変換である。
ギリシア神話と比較すると、「殺される神」であるクロノスは農耕神であり、明らかに性質が[[炎帝神農|炎帝]]と一致している。[[炎帝神農|炎帝]]と[[蚩尤]]の同一性が窺える。
北欧神話での「殺される神」であるユミルは牛の乳を飲んで育っており、牛神であることが示唆されるし、死して世界に変化する巨人である点は盤古と一致する。死した巨人から草木が発生したとすれば、伏羲のような植物を神格化した神も盤古型の神から発生した、といえる。中国神話では伏羲は女媧の配偶神にまで格が上がることになるが、北欧神話では巨人の死体から「下位の神」ともいえる妖精が発生している。妖精は巨人の腐った体から発生しており、腐ったものを肥料にして成長する植物を彷彿とさせる。伏羲は西欧で言うところの「妖精」といえるのではないだろうか。
== 末子成功譚の例 ==