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、 2022年9月25日 (日) 23:15
'''嫦娥'''(じょうが、こうが)は、中国神話に登場する人物。[[羿|后羿]]の妻。古くは'''姮娥'''(こうが)と表記された。
== 伝説 ==
『淮南子』覧冥訓によれば、もとは仙女だったが地上に下りた際に不死でなくなったため、夫の后羿が[[西王母]]からもらい受けた不死の薬を盗んで飲み、月]]([[月宮殿]])に逃げ、蟾蜍(ヒキガエル)<ref>蟾蜍(せんじょ)あるいは月中蟾蜍と書かれる。蟾蜍は漢語でヒキガエルを意味する。仙女(せんじょ、これもこのように発音される)や[[月の兎]]のように、月面に目視される模様からの発想であるとも考えられている。</ref>になったと伝えられる([[嫦娥奔月]])。
別の話では、后羿が離れ離れになった嫦娥をより近くで見るために月に向かって供え物をしたのが、月見の由来だとも伝えている。
『淮南子外八篇』によると、后羿が狩りの最中に月桂樹の下で嫦娥と出会ったという。
『楚辞』天問では虹を切り開き衣服と為したとされる。
[[道教]]では、嫦娥を[[神|月神]]とみなし、「'''太陰星君'''」さらに「'''月宮黄華素曜元精聖后太陰元君'''」「'''月宮太陰皇君孝道明王'''」と呼び、[[中秋節]]に祀っている。
「姮娥」が本来の表記であったが、[[前漢]]の[[文帝 (漢)|文帝]]の名が「恒」であるため、字形のよく似た「姮」を[[避諱]]して「嫦」を用いるようになった。のちに[[旁]]の「常」の影響を受けて読みも「じょうが」(に対応する中国語での発音)に変化した。
== 民間伝承 ==
[[海南島]]などでは、8月15日(中秋節)の晩に少女たちが水をはった器の中に[[針]]を入れて嫦娥(月娘)に自分の運命の吉凶を示してもらう、という習俗があった。針がすっかり沈んでしまって少しも浮かばないと運命は凶であるという<ref>[[香坂順一]] 『南支那民俗誌 海南島篇』 [[台湾総督府]]外事部 1944年 74頁</ref>。
== 嫦娥という単語の使用例 ==
嫦娥という単語は「月の女神」あるいは「天女」という語義で使用されることもある。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で出版されたウィリアム・スウィントン(William Swinton)による[[英語]]のリーダー『Swinton's Fifth Reader and Speaker』(1883年)では同書の17章にあたる「The Moon-Maiden」<ref>William Swinton 『Swinton's Fifth Reader and Speaker』 1883年 98頁</ref>で、日本の[[駿河国]]([[静岡県]])を舞台として羽衣をもつ仙女を登場させ、それを「Moon-Maiden」の単語を用いて表現しているが、それを[[邦訳]]した『スウヰントン氏第五読本直訳』(1889年)では、「Moon-Maiden」をすべて「嫦娥」と翻訳している<ref>京極秋蟾、井口理三郎 訳 『スウヰントン氏第五読本直訳』 珊瑚閣 1889年 67-73頁</ref>。
== 関連項目 ==
*[[玄妻]]
*[[羿|后羿]]
*[[ヒキガエル科]]
*[[竹取物語]](かぐや姫)
== 参照 ==
{{DEFAULTSORT:しようか}}
[[Category:中国神話]]
[[Category:西王母型女神]]
[[Category:月神]]