差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
327 バイト追加 、 2022年9月21日 (水) 05:54
編集の要約なし
邇邇芸命が天降りしようとしたとき、天の'''八衢'''(やちまた。道がいくつもに分かれている所)に立って高天原から葦原中国までを照らす神がいた。『日本書紀』では、その神の鼻の長さは七咫(ななあた)、背(そびら)の長さは七尺(ななさか)、目が八咫鏡(やたのかがみ)のように、また赤酸醤(あかかがち)のように照り輝いているという姿であった。そこで天照大御神と高木神は天宇受売命(あめのうずめ)に、その神の元へ行って誰であるか尋ねるよう命じた。その神が国津神の猿田毘古神で、邇邇芸命らの先導をしようと迎えに来た。
邇邇芸命らが無事に葦原中国に着くと、邇邇芸命は天宇受売命に、その名を明らかにしたのだから、猿田毘古神を送り届けて、その名前をつけて仕えるようにと言った。そこで天宇受売命は「[[猿女君]]」と呼ばれるようになったという。なお、『日本書紀』では、猿田彦が天鈿女命(あめのうずめ)に自分を送り届けるように頼んだとなっている。猿田毘古神は故郷である[[伊勢国]]の[[五十鈴川]]の川上へ帰った。邇邇芸命らが無事に葦原中国に着くと、邇邇芸命は天宇受売命に、その名を明らかにしたのだから、猿田毘古神を送り届けて、その名前をつけて仕えるようにと言った<ref group="私的注釈">猿神とは生贄を求める神でもあるので、天宇受売命は猿田毘古に対する生贄となった、という見方ができなくはないだろうか。また、神殿娼婦と交わって人間になった、というメソポタミア神話の野人エンキドゥを思わせる場面でもある。</ref>。そこで天宇受売命は「猿女君」と呼ばれるようになったという。なお、『日本書紀』では、猿田彦が天鈿女命(あめのうずめ)に自分を送り届けるように頼んだとなっている。猿田毘古神は故郷である伊勢国の五十鈴川の川上へ帰った<ref group="私的注釈">猿田毘古が川の神であることを思わせる記述でもあるように思う。</ref>。
猿田毘古神は伊勢の阿邪訶(あざか。旧[[一志郡]][[阿坂村]]、現[[松阪市]])の海で漁をしていた時、比良夫貝(ひらふがい)に手を挟まれ、溺れる。この際、海に沈んでいる時に「底度久御魂」(そこどくみたま)、猿田毘古神が吐いた息の泡が昇る時に「都夫多都御魂」(つぶたつみたま)、泡が水面で弾ける時に「阿和佐久御魂」(あわさくみたま)という三柱の神が生まれた。この時に海中で溺れた際に生じた泡の三柱の神は[[阿射加神社]](三重県松阪市大阿坂と小阿坂に2社存在する)に現在は鎮座されている。 猿田毘古神は伊勢の阿邪訶(あざか。旧一志郡阿坂村、現松阪市)の海で漁をしていた時、比良夫貝(ひらふがい)に手を挟まれ、溺れる。この際、海に沈んでいる時に「底度久御魂」(そこどくみたま)、猿田毘古神が吐いた息の泡が昇る時に「都夫多都御魂」(つぶたつみたま)、泡が水面で弾ける時に「阿和佐久御魂」(あわさくみたま)という三柱の神が生まれた。この時に海中で溺れた際に生じた泡の三柱の神は阿射加神社(三重県松阪市大阿坂と小阿坂に2社存在する)に現在は鎮座されている。 
『[[倭姫命世記]]』([[神道五部書]]の一つ)によれば、[[倭姫命]]が天照大神を祀るのに相応しい地を求めて諸国を巡っていたとき、猿田彦の子孫である[[太田命|大田命]](おおたのみこと)が倭姫命を先導して五十鈴川の川上一帯を献上したとされている。大田命の子孫は宇治土公(うじのつちぎみ)と称し、代々[[伊勢神宮]]の玉串大内人に任じられた。しかし、大田命を猿田彦の子孫と主張し始めたのは[[鎌倉時代]]に成立した『伊勢二所皇太神宮御鎮座伝記』や『倭姫命世記』であり、[[延暦]]期成立と見られる『皇太神宮儀式帳』や[[後三条天皇|後三条朝]]までの編年記事が見える『大神宮諸雑事記』では、宇治土公は単に大田命の子孫であるとだけ主張しており、大田命の遠祖に猿田彦を架上したものと指摘される<ref>[[宝賀寿男]]「猿女君の意義 稗田阿禮の周辺(中)」『東アジアの古代文化』107号、2001年、174頁。</ref>。「児島系図」では[[久斯比賀多命]]三世孫の久斯気主命を祖とし、[[磯部氏|石部公]]や狛人部と同族であるとされており<ref>[[中田憲信]]「児島」『諸系譜』第二十六冊。</ref>、これに従えば[[三輪氏]]族となる。
== 道祖神 ==
天孫降臨の際に道案内をしたということから、道の神、旅人の神とされるようになり、[[道祖神]]と同一視された。そのため全国各地で[[塞の神]]・道祖神が「猿田彦神」として祀られている。この場合、妻とされる天宇受売神とともに祀られるのが通例である。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
== 参考図書 ==
{{ウィキポータルリンク|神道|[[画像:Shinto torii icon vermillion.svg|40px|Portal:神道]]}}
* [[伊勢神宮]]
* [[民間信仰]]
* [[伊藤小坡]]
* [[猿田氏]]
* [[サタヒコ]]
* [[猿田彦神社 (曖昧さ回避)]]
* [[猿田彦珈琲]]
== 外部リンク ==
* [https://www.sarutahikojinja.or.jp/ 猿田彦神社]
* {{Kotobank|猿田彦命}}
 
== 脚注 ==
<references />
{{デフォルトソート:さるたひこ}}
[[category:日本神話]]
[[category:スケープゴート]]

案内メニュー