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生き残った最初の人間<ref group="私注">何から「生き残った」のかの記載がWikipediaにないため分からない。「大洪水」だろうか?</ref>は兄妹だが夫婦となって<ref name="ogihara57" />、人びとの死体の処理について相談するが、2人とも年寄りなので、死体を全部葬れるか心配して床についた<ref group="注釈">最初の人間2人が兄妹で人類・民族ないし氏族の始祖になったという伝承は、アムール川流域のツングース系諸族とパレオアジア諸族に幅広く認められる</ref><ref name="ogihara57" /><ref group="私注">兄妹婚始祖譚は中国神話の伏羲と女媧、日本神話のイザナギとイザナミ等、かなり拾い範囲で認められるモチーフである。</ref>。夫は百人の人がかかっても抱えきれないほどの大木の夢を見た。その樹皮は蛆虫で、根は巨大な蛇、葉は丸い金属製の鏡で、花は鈴だった<ref group="私注">いわゆる「世界樹」であろうか。</ref>。そのこずえには無数の金属製の角があった。目を覚ました老人は妻に内緒で、この大樹を探しだし、弓矢で角と鏡と鈴を撃ち落として家に持ち帰って寝台の下に隠して寝た。そうすると夢枕に白っぽい老人が現れ、煙突の穴を空けるよう命じた。そうすれば、角と鏡と鈴は1組老人の手元に残り、それ以外のものは穴から飛び出して大シャーマンにふさわしい者を見つけるだろうと宣した。こうして複数の大シャーマンが立ち現れ、死者を弔った<ref group="私注">これも「射日神話」の一種であり、特に'''こずえの角'''は中国神話の'''八咫烏'''に相当する「太陽」の象徴だと思う。シャーマンが射落とされた太陽(神)の一部だったり、化身だったりする、という考えの表れだと考える。そして、老人もまた「太陽神」の化身なのであろう。「太陽神」の化身であり、地上に降りた「火の神」がシャーマンであり、異界との仲介者である、という概念はインド神話の'''アグニ'''と共通する概念ではないだろうか。そうすると、老人もまたシャーマンであり、中国神話の伏羲に相当する存在と言える。</ref>。これらの道具は実際のシャーマンの道具として伝承されており、神話学者には、これらを着用して大樹(世界樹)に扮することでシャーマンは自然界との仲介者になったのではないかと考える学者もいる<ref>『世界神話事典』(2005)p.65</ref><ref>シャーマンは太陽神(地上における「火の神」に扮することで神々の世界との仲介者になった、ともいえるのではないだろうか。シャーマンの踊りと歌は、火が燃えるさまを示したものともいえると考える。</ref>。
英雄叙事詩の分野では、英雄メルゲン(マルゴ)、女英雄プヂを主人公とする[[口承]]が伝わっており、[[チュクチ族|チュクチ]]・モンゴル的な特徴が認められる英雄叙事詩の分野では、英雄メルゲン(マルゴ)、女英雄プヂを主人公とする口承が伝わっており、チュクチ・モンゴル的な特徴が認められる<ref name="ogihara57" />。ウリチ族やオロチ族にも同様の影響関係がみとめられるが、ニヴフや[[アイヌ]]の英雄叙事詩はこられとは性格を異にしている。ウリチ族やオロチ族にも同様の影響関係がみとめられるが、ニヴフやアイヌの英雄叙事詩はこられとは性格を異にしている<ref name="ogihara57" />。一方、上述の創世神話にはチュクチ・モンゴル的要素は認められない<ref name="ogihara57" />。 == ナナイ関連画像 ==<gallery>ファイル:Goldi family group, north of Khabarovsk LCCN2004707513.jpg|ナナイの家族(1895、ハバロフスク地方北部)ファイル:Goldi chiefs in best clothes north of Khabarovsk LCCN2004707510.jpg|ナナイの首長一家(1895、ハバロフスク地方)ファイル:Goldes shaman priest in his regalia LCCN2004707515.jpg|ナナイのシャーマン(1895)ファイル:Goldi village chieftan LCCN2004708035.jpg|ナナイの村の首長(1895)ファイル:Goldes hunter on skis on ice floe, with spear and rifle LCCN2004707514.jpg|スキーをはいたナナイのハンター(1895)ファイル:Goldes woman pulling firewood sledge LCCN2004707518.jpg|焚き木をそりで運ぶナナイ人(1895)ファイル:Six Goldi women and children on dog sledge LCCN2004708039.jpg|女性と子ども6人を乗せた犬ぞり(1895)</gallery><gallery>ファイル:Goldi tribesmen acting out folk drama, "The repulse of the kidnapper" LCCN2004707521.jpg|民族劇を演じるナナイの人びと(1895)ファイル:Goldi village on the Amur, north of Khabarovsk LCCN2004707512.jpg|アムール川流域のナナイ集落(1895)ファイル:Goldi village along the Amur River, north of Khabarovsk LCCN2004708126.jpg|アムール川流域のナナイ集落(1895)ファイル:Goldi villagers posed in front of building with fishing catch - on the Amur river LCCN2004708042.jpg|漁撈の獲物と一緒に建物の前でポーズをとったナナイの人びと(1895)ファイル:1962-04 1962年 赫哲族青年.jpg|ホジェンの青年(1962、中国)ファイル:Вокальный ансамбль, Нанайский район.JPG|歌唱発表会でのナナイ族(2013、ハバロフスク)</gallery>
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=[[ウラジーミル・アルセーニエフ]]|year=, 2001|month=, 11|title=, デルス・ウザラ|publisher=[[, 小学館]]|series=, 地球人ライブラリ|, isbn=:978-4092510456|ref=, アルセニエフ}}* {{Cite book|和書|author=|editor=[[大林太良]]、[[吉田敦彦]]、[[伊藤清司]]、[[松村一男]]|year=大林太良、吉田敦彦、伊藤清司、松村一男, 2005|month=, 3|title=, 世界神話事典|series=, 角川選書|publisher=[[, 角川学芸出版]]|, isbn=:978-4047033757|ref=神話事典}}* {{Cite book|和書|author=加藤九祚|authorlink=, 加藤九祚|year=, 1977|month=, 6|chapter=, ツンドラとタイガと砂漠の世界|title=, 社会と文化―世界の民族―|publisher=[[, 朝日新聞社]]|isbn=|ref=加藤1}}
* {{Cite book|和書|author=加藤九祚|year=1994|month=1|title=シベリアの歴史|publisher=[[紀伊國屋書店]]|isbn=4-314-00646-3|ref=加藤2}}
* {{Cite book|和書|author=佐々木史郎|authorlink=佐々木史郎|year=1996|month=6|title=北方から来た交易民―絹と毛皮とサンタン人|series=NHKブックス|publisher=[[日本放送出版協会]]|isbn=978-4140017722|ref=佐々木}}

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