ナナイ語には上アムールと下アムールの二大方言があり、互いに明瞭に異なっている<ref name="redbook" />。文字は[[1930年代]]初め、ナイヒン地方の言葉を基本につくられた<ref name="redbook" />。
ナナイ族と言語・文化の点で最も近いのはウリチ(オルチャ)の人びとで、居住地はナナイ族よりも下流の一帯である<ref name="ogihara75">[[#荻原1|荻原(1989)p.75]]</ref>。ウリチの内称は「ナニ」(この土地の人)であり<ref name="ogihara75" />、[[17世紀]]から[[19世紀アメリカ合衆国の選挙運動|19世紀]]にかけて北方で展開された、かつての[[山丹交易]]にたずさわった「山丹人」に比定されている、17世紀から19世紀にかけて北方で展開された、かつての山丹交易にたずさわった「山丹人」に比定されている<ref>[[#佐々木|佐々木史郎(1996)]]</ref>。ナナイ語はまた、語彙や文法の面でエヴェンキの影響を受けている<ref name="redbook" />。
== 生業と生活文化 ==
[[ファイル:Нанайские рыбацкие принадлежности Сикачи-Алян.JPG|280px|right|thumb|ナナイの漁具(シカチ・アリャン博物館所蔵)]]
[[ファイル:Coat, salmon skin, Nanai (Goldi) - AMNH - DSC06198.JPG|thumb|right|180px|ナナイ人の作ったサケ皮のコート([[アメリカ自然史博物館]]所蔵)]]
[[ファイル:Goldi village on the Amur, north of Khabarovsk; dog tied in foreground LCCN2004708055.jpg|280px|right|thumb|ハバロフスク北方のナナイの集落と半地下式住居(1895)]]
=== 生業と移動手段 ===
旧[[ソビエト連邦]]の民族学者、M・G・レヴィンとN・N・チェボクサロフは革命前の極東・シベリアの諸民族を、
# [[海獣]]狩猟民海獣狩猟民# [[トナカイ]]飼養民トナカイ飼養民
# 大河流域の漁撈民
# [[タイガ]](針葉樹林帯)の漁狩猟民タイガ(針葉樹林帯)の漁狩猟民
# タイガの狩猟・トナカイ飼養民