「KN」の子音が父で、「DB」の子音が息子、という組み合わせとなるとギリシア神話のクロノスとゼウス、朝鮮神話では桓雄と檀君、あるいは解慕漱(ヘモス)と朱蒙(チュモン)となるように、個人的には思う。特に朱蒙という名前は単独で「有熊」と同じ子音となるので、「有」と「熊」は文化によっては厳密に2つに分けられているわけではないようである。元々は「父」と「息子」の関係も厳密ではなかったと推定され、「有」=「息子」、「熊」=「父」と固定されてしまう以前にオーストロネシア語族は中国本土を離れてしまっているため、ギリシアや朝鮮といった北方系の文化とは「父」と「息子」の名前が入れ替わっていて、「有」=「父」、「熊」=「息子」となっているようである。この「有熊分離神話」の特徴は、「部族の始祖由来譚」、「国家の始祖由来譚」と、一定の社会的集団の「起源由来譚」となっていることが特徴で、現代的な国家という形態が完全に整う前に発生した神話といえる。粗筋は'''「天の男神(太陽神的)」が地上の女神と婚姻して、その結果一定の社会的集団が発生した'''、というものといえるが、ヴェマーレ族のように芋類の発生譚も兼ねて物語が複雑な構成となっているものもある。日本神話も複雑怪奇ではあるのだが、一番の類話は、須佐之男の降下と神大市比売の婚姻から生まれた大年神から多くの神々が誕生した、というものではなかろうかと思われる。大年神からは多くの稲作農耕に関する神々が誕生しており、これも炎帝神農の性質と類似している。西欧の神話では、クロノス的神は父親でありながら息子神から倒される、という展開となっており、これは近縁でありながら戦ったとされる炎帝と黄帝の神話を投影したものかもしれない、と考える。クロノスは我が子が自分の王権を奪うことを恐れて、自らの子供を食べてしまう神であり、'''生贄の思想が垣間見える'''と共に、'''生贄'''の本来の目的は'''農産物の豊穣ではなく、政治的競争者の弱体化と排除'''であった可能性が示唆される。
朝鮮神話では儒教の影響を強く受けているので、息子神が父親の男根を切り落として追放するようなとんでもない親不孝な展開は削除されたものと思われる。日本の神話では須佐之男は姉である天照大神から地上へと追放されており、天照大神の性質に黄帝的要素が含まれている。朝鮮神話では儒教の影響を強く受けているので、息子神が父親の男根を切り落として追放するようなとんでもない親不孝な展開は削除されたものと思われる。日本の神話では須佐之男は姉である天照大神から地上へと追放されており、天照大神の性質に黄帝的要素が含まれている。また'''秩序を乱し、織女を殺した'''と、須佐之男の行為は否定されている。
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