太古の昔、赤雁に乗って穀物の種を伝えた狭姫という女神がいた。狭姫の母神は[[大宜都比売]](オオゲツヒメ)といい、身体のどこからでも食物を出すことができた。あるとき、心の良くない神が[[大宜都比売]](オオゲツヒメ)の身体にはどんな仕掛けがあるのかと面白半分にヒメを斬ってしまった。
息も絶え絶えな[[大宜都比売]](オオゲツヒメ)は狭姫を呼び、「お前は末っ子で身体も小さい。形見をやるから安国へ行って暮らすがよい」と言って息を引き取った。と、見る見るうちに[[大宜都比売]](オオゲツヒメ)の遺体から五穀の種が芽生えた。狭姫は種を手にすると、そこにやって来た赤雁の背に乗って旅だった。(オオゲツヒメ)の遺体から五穀の種が芽生えた。狭姫は種を手にすると、そこにやって来た'''赤雁'''の背に乗って旅だった。
海を渡って疲れた赤雁が高島(現益田市)で休もうとしたところ、大山祇(オオヤマツミ)の使いの鷹が出てきて「我は肉を喰らう故、五穀の種なぞいらん」と狭姫を追い払った。続いて須津(現浜田市三隅町)の大島で休もうとしたところ鷲が出てきて同じように追い払った。