'''太陽神ヘーリオスの孫'''であり、魔女キルケーの姪にあたる<ref name="T">高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』280頁。</ref>。すでにヘーシオドスの『神統記』に名前が現れており、コルキスの王アイエーテースとオーケアノスの娘エイデュイア(イデュイア)の娘で<ref>ヘーシオドス、959行-962行。</ref>、アポロドーロスによればカルキオペー<ref>アポロドーロス、1巻9・1。</ref> とアプシュルトスという兄弟がいたが<ref name=Ap_1_9_24>アポロドーロス、1巻9・24。</ref>、ロドスのアポローニオスはアプシュルトスを異母兄としている<ref>ロドスのアポローニオス、3巻241行-244行。</ref>。後代の説ではタウリケー王ペルセースの娘ヘカテーとアイエーテースの娘で、キルケー、アイギアレウスと兄弟とするものもある<ref name="T" /><ref>シケリアのディオドロス、4巻45・1-45・3。</ref>。イアーソーンとの間にメーデイオス<ref>ヘーシオドス、997行-1002行。</ref>、あるいはメルメロスとペレース<ref name=Ap_1_9_28>アポロドーロス、1巻9・28。</ref><ref>パウサニアス、2巻3・6。</ref><ref name=Hy_25>ヒュギーヌス、25話。</ref><ref name=Hy_239>ヒュギーヌス、239話。</ref>、あるいは双生児テッサロスとアルキメネース、ティーサンドロスを生んだ<ref>シケリアのディオドロス、4巻54・1。</ref>。またアテーナイ王アイゲウスとの間にメードスを生んだという<ref name=Ap_1_9_28 /><ref name="パウサニアス">パウサニアス、1巻2・8。</ref><ref>ヒュギーヌス、26話。</ref><ref name="ヒュギーヌス、27話。">ヒュギーヌス、27話。</ref><ref>ヒュギーヌス、244話。</ref><ref>ヒュギーヌス、275話。</ref>。
ヘーシオドスはメーデイアを《眼輝く乙女》と呼んでおりヘーシオドスはメーデイアを《'''眼輝く乙女'''》と呼んでおり<ref>ヘーシオドス、998行。</ref>、ロドスのアポローニオスはメーデイアやキルケーがヘーリオスの子孫の証である黄金色の光を発する輝く瞳を持つとしている、ロドスのアポローニオスはメーデイアやキルケーがヘーリオスの子孫の証である'''黄金色の光を発する輝く瞳を持つ'''としている<ref>ロドスのアポローニオス、3巻287行-288行。</ref><ref>ロドスのアポローニオス、4巻683行-684行。</ref><ref>ロドスのアポローニオス、4巻727行-730行。</ref><ref name="G">[[グスターフ・シュヴァープ]] 『ギリシア・ローマ神話』第1巻、[[角信雄]]グスターフ・シュヴァープ『ギリシア・ローマ神話』第1巻、角信雄/訳</ref>。ヘカテー神殿に仕える巫女であり。'''ヘカテー神殿に仕える巫女'''であり<ref name="G" /><ref>ロドスのアポローニオス、3巻250行-252行。</ref>、ヘカテーの[[魔術]]に長けていた。その名は「慮る、統治する女性」を意味し、本来はコリントスで崇められた主女神だったと考えられている、ヘカテーの魔術に長けていた。その名は「慮る、統治する女性」を意味し、本来はコリントスで崇められた主女神だったと考えられている<ref>[[呉茂一]]『ギリシア神話』呉茂一『ギリシア神話』[[新潮社]]、1994年、627頁。</ref>。
== メーデイアの魔法 ==
[[File:Calyx-Krater, about 400 BC, South Italian, Lucania, attributed to Near the Policoro Painter, ceramic - Cleveland Museum of Art - DSC08251.JPG|250px|thumb|[[クラテール]]に描かれたメーデイア。[[クリーブランド美術館]]所蔵。]]
[[ロドスのアポローニオス]]によると、メーデイアは女神ヘカテーからあらゆる魔法の[[薬草]]とその扱い方を教わっており、彼女が薬草を用いて行う魔法は激しく燃える炎の勢いを和らげ、川の流れを堰き止め、星々や月の運行を妨げることが出来た<ref>ロドスのアポローニオス、3巻529行-533行。</ref>。そしてメーデイアは良からぬ研究をするたびに、[[月]]の女神[[セレーネー]]を恋の魔法で[[エンデュミオーン]]のいる地上に引き下ろし、夜空から月明かりを消し去ったという<ref>ロドスのアポローニオス、4巻55行-66行。</ref>。また[[冥府]]の住人を呼び出したり<ref>ロドスのアポローニオス、4巻1665行-1669行。</ref>、幻を見せることもお手の物だった<ref>ロドスのアポローニオス、4巻1670行-1672行。</ref><ref>シケリアのディオドロス、4巻51・6。</ref><ref>シケリアのディオドロス、4巻52・2。</ref><ref>ヒュギーヌス、24話。</ref>。[[シケリアのディオドーロス]]も、メーデイア自身が研究して習得した[[薬草|薬草学]]と[[薬学]]の知識に加えて、母ヘカテーや姉キルケーが得た知識も等しく学んでいたとしている<ref>シケリアのディオドロス、4巻50・6。</ref>。