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'''イラン神話'''とはイランおよび周辺地域に伝わる[[神話]]のこと。

'''ペルシア神話'''ともいう。[[ペルシア]]とは本来[[ファールス州]]のことを指すが[[ギリシャ語]]ではより広くイラン地域やその文物のことをも指した。ちなみにイラン地域の人々は昔から自称民族名も国家名も「'''[[イラン]]'''」([[アーリア人]]の国の意)である。

イラン神話は成立年代によって以下の3つに大別されている。
#古代アーリア人の神話。
#[[ゾロアスター教]]神話。
#イスラーム成立時代の文学、英雄物語など。

==古代アーリア人の神話==
[[ペルシア人]]の祖先は[[紀元前5000年]]頃[[東ヨーロッパ]]地域から各地に移住した[[インド・ヨーロッパ語族]]の言語を話す民族の一派アーリア人であったと考えられている。(要出典)

[[紀元前2000年]]~[[紀元前1500年]]頃、[[インド]]へ向かったアーリア人の一部がイランの地にも定住し、継続的に移住してきた。彼らは古いインド・ヨーロッパ語族共通時代に由来する豊かな口承伝説を伝えた。その神話は後にゾロアスター教の聖典『[[アヴェスター]]』、特に神々への讃歌である『ヤシュト』によく保存されている。

古代アーリア人の神話は、[[太陽]]や天空を神々と捉え、火の崇拝などの儀式で他の[[ギリシャ]]、[[ローマ]]、[[北ヨーロッパ|北欧]]へ行ったグループと共通する[[宗教]]を持っていたと考えられている。
特に『[[リグ・ヴェーダ]]』に残された古[[インド神話]]とは共通点が多く、[[ダエーワ]]([[デーヴァ]])やアフラ([[アスラ]])など神名、神格にも共通点が多くみられる。また『リグ・ヴェーダ』の言語であるヴェーダ語は、古イラン語とも極めて近い。

なお、[[スラヴ]]地域の神話との語彙の類似点も指摘されているが、これはむしろイラン系遊牧民による影響が大きいと考えられている。

==ゾロアスター教神話==
ゾロアスター教神話は、この古代アーリア人の宗教、神話をベースにしながら、より高等宗教化したものと思われる。それはより広範囲の、[[民族]]や[[文化]]の壁を越えて信仰された点があるからだ。
特に重要なのは、中世になって編纂された『[[デーンカルド]]』『[[ブンダヒシュン]]』などの宗教文書で、ゾロアスター教神学の重要な説話を多く伝えている。

イラン地域はその後[[イスラーム]]化された。ゾロアスター教徒たちは迫害されながらも、[[近世]]の[[サファヴィー朝]]になり自由を与えられ、この時代にゾロアスター教の[[マギ]](祭司)たちは信仰をまもるため、文献の作成、編集作業を行った。

==イスラーム成立時代の文学、英雄物語==

イスラーム化以後のイランでも、神話の伝統に材を取った物語が多く作られた。これも広義のイラン神話と言えよう。ただし、その内容には[[一神教]]の教義に反しないような改編が行われている。

[[パフラヴィー語]]で書かれた中世文学書『フワダーイ・ナーマグ』に材を取った英雄叙事詩『[[シャー・ナーメ]]』などがこれに属する。

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[[Category:イラン神話|*]]
[[Category:ゾロアスター教]]
[[Category:中東]]

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