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== 私的解説 ==
クー・フーリンとコンラは「互いにそれと知らずに殺し合う父と息子」という文芸的な悲劇性の高い伝承である。クー・フーリンとは名前の子音からみて、[[ミャオ族]]の[[アペ・コペン]]から派生した英雄と考える。一方のコンラも[[コペン]]から分かれて発生したもので、「息子神」かつ「父神から分岐した神」として、インド神話のハヌマーンや、ギリシア神話の[[ヘルメース]]に相当すると考える。基本的には「父神」に相当する存在を英雄化・神格化する過程で、「悲劇的に死ぬ存在である」という点や「何かを盗もうとしたと非難される存在である」という負的な性質を本体から切り離して「息子神」として分離させたのだろう、と考える。インド神話では、ハヌマーンはインドラに殺されるが、父に相当すると考える。基本的には「父神」に相当する存在を英雄化・神格化する過程で、「悲劇的に死ぬ存在である」という点や「何かを盗もうとしたと非難される存在である」という負的な性質を本体から切り離して「息子神」として'''分離させた'''のだろう、と考える。インド神話では、ハヌマーンはインドラに殺されるが、父[[ヴァーユ]]の尽力で蘇生される。ギリシア神話の[[ヘルメース]]  本伝承では、クー・フーリンははアポローンの牛を盗んで窮地に立たされるが、ゼウスに救われる。神話において「父に救われる息子」と「父に倒される息子」は近縁姓の高い表裏一体の存在なのではないだろうか。
== 参考文献 ==
* カーティン, ジェレマイア, 安達正, アイルランドの神話と民話, 2004, isbn:9784882028727
* 木村正俊, スコットランド文学―その流れと本質, 2011|pub, 開文社出版, isbn:9784875710585
 
== 関連項目 ==
* [[ヘルメース]]:息子神である。
== 注釈 ==

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