とすると、イランの伝承では「'''饕餮+火'''」である英雄が、シュメールではザッハークに類似した蛇神とされていることが分かる。シュメールは期限前3500年頃~前3100年頃の文化なので、時代的にはこちらの方が古いのだが、中国神話と比較すれば、イランの伝承の方が「祝融・共工型神話」に近い。形が崩れているように思えるのは、むしろシュメール神話の方だ。これは一体、どういうことなのだろう?
シュメール文化は良渚文化が始まるよりやや前の文化なので、紀元前4000~3500年頃に、ある種の宗教改革が起こり、それまで存在しなかったか、あるいはさほどメジャーではなかった「'''祝融・共工神話祝融・共工型神話'''」が重要視されるようになり、シュメールのニンギジッタに相当する神も「'''悪役'''」として大きく取り上げられるようになったのではないだろうか。そして、古い神話に手が加えられ、神話の再編が行われたのだと考える。ニンギジッタは神話再編の上で'''「スケープゴート的」に悪役とされてしまった'''のだ。
再編よりも古い時代は