二次「カオスカンプ」において、ティアマトは原初の混沌を具現化した怪物とされる<ref name="StephanieDalley" />。ティアマトをはじめとする古代の怪物は、かつて平和で女性を中心とした宗教の最高神であったものが、凶暴化すると怪物に変身する姿を描いたものだという説である<ref group="私注">むしろ、スケープゴートとして悪者扱いされるようになったものではないだろうか。</ref>。
ロバート・グレイヴス[24]は、ティアマトがマルドゥクによって殺されたことを、母系社会から家父長制への権力移行という古代の仮説の証拠とみなした<ref>Graves, ''The Greek Myths'', rev. ed. 1960:§4.5.</ref>。ティアマトをはじめとする古代の怪物は、かつて平和で女性を中心とした宗教の最高神であったものが、凶暴化したときに怪物に変身した姿を描いたものだという説だ<ref group="私注">「意図的に凶暴であると悪意でみなされた」とすべきであろう。</ref>。。男性の英雄の手による彼らの敗北は、これらの母系宗教・社会が男性優位のものへと転覆することに対応する。