差分

== オラキュラー・カルト ==

オリンポスの神々の中では珍しく、アポローンは2つの信仰拠点を持ち、広く影響を及ぼしていた。デロス島とデルフォイである。デルフォイのアポローンとピュティアのアポローンとは、同じ地域に祠があるくらい、崇拝の対象として区別されていた<ref>Burkert 1985:143.</ref>。リュキアは神の聖地であり、このアポロンはリュキアとも呼ばれたからである<ref>[https://topostext.org/work/133#5.77.5 Diodorus Siculus, Library 1-7, 5.77.5]</ref><ref>[https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=urn:cts:greekLit:tlg0060.tlg001.perseus-grc1:5.77 Diodorus Siculus, Library 1-7, 5.77.5 - GR]</ref>。アポロン信仰は、文字史料が始まった紀元前650年頃にはすでに完全に確立されていた。アポローンは、古代のギリシャ世界において、神託の神として極めて重要な存在となり、アポロドロスやアポロニオスといった神託を受けた名前やアポロニアという都市名が頻繁に見られることが、その人気を証明している。アポローンを祀る神託の聖域（オラキュラー・サンクチュアリ）は、他の遺跡にも設置された。紀元2〜3世紀、ディディマやクラロスの人々は、いわゆる「神託」を発したが、その中でアポローンは、すべての神々はすべてを包括する最高神の側面あるいは奉仕者であることを確認したのだった。