差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
1,649 バイト追加 、 2022年3月6日 (日) 11:24
|蚕
|}
 
=== 豚と布 ===
<blockquote>
'''山豚の害を防ぐため茅を結びて建つる話'''
 
娘を持つ夫婦がいて、畑に行っては山豚を追い払っていた。その後、娘にその役目を引き継いだ。隣人がやってきて「なんであなた達は畑の番をしないのか、いかに豊作でも粟の収穫が減るだろう、と言われ、不思議に思って見に行くと、娘は山豚と「ミゴハ」の最中だった。娘のそばに寄って声をかけると、山豚は逃げて行った。それより茅を結んで畑に挿し、布を焼いて山豚に備えた。(アミ族秀姑巒アミ群キウィツ社(奇密社)、『蕃調』阿眉族奇密社p.82)<ref>神々の物語 台湾原住民文学選5 神話・伝説・昔話集、紙村徹編・解説他、草風館、356-357p</ref>
</blockquote>
 
台湾の神話であって、豚が人間の娘と関係する物語である。直接豊穣と関係する要素は乏しいが、茅(植物)に魔除け的な作用があること、布と山豚との間に関連があることが示唆されている。茅の作用については、個人的には「茅の輪」や「しめ縄」といった植物で作った結界兼魔除けと関連する思想なのではないか、と思う。布と豚との具体的な関連性は不明だが、元は豚と女性との交わりが布の豊穣に関係する、との物語があったのではないか、と思う。台湾には他に、豚が男性と交わる神話や、豚神と交わった女性から家畜の豚の先祖が生まれた、という伝承がある。
== 参考文献 ==

案内メニュー