=== 馬の項・まとめ ===
「馬の皮」が蚕の豊穣に関する「魔法のアイテム」である点、「馬の皮」が女性、特に織女を殺すものである点が重要と考える。「馬の皮」は当然生きているものではないので「死んだ馬神」=「冥界神」とはいえないだろうか。少なくとも、確固とした「冥界神」の地位を与えられる前に、'''「『死んだ神』は結婚もするし、それに伴って女性(妻)を殺し、その結果、豊穣(蚕など)が女性から生まれる」'''という思想があったことが分かる。ハイヌウェレ神話と比較すると、ハイヌウェレは祭りに参加した者たちに殺されるのだから、祭りの参加者は『死んだ神』に扮した'''「現人神」'''であることが分かるし、大地に埋められて殺されるのだから、'''「大地」もまた死んだ神の一部とみなされていた'''ことが分かる。
{| class="wikitable"
!colspan="6"|殺された女神と化生
!|神話|女神を殺す者|殺された女神|上位の女神の受けた打撃|殺した者への罰|化生したもの
|-
|日本
|須佐之男・死んだ馬の皮
|織姫、大宜津比売
|天照大神の岩戸隠れ
|須佐之男の去勢あるいは処刑(髭や爪をはぐことの暗喩)
|'''蚕'''、稲、豆など
|-
|ハイヌウェレ
|祭りの参加者
|ハイヌウェレ
|参加者は動物に変えられる、寿命の発生(一種の処刑)
|芋
|-
|中国
|死んだ馬の皮
|娘
|
|
|蚕
|}
== 参考文献 ==