<blockquote>天照大御神が神聖な機織屋にいらっしゃって、神にお供えする衣服を機織女に織らせなさっていた時、須佐之男命がその機織屋の棟に穴をあけて、毛色のまだらの馬を尻のほうからさかさまに皮を剥ぎとって穴から落とし入れたので、機織女はそれを見て驚き、機具の梭で陰部を突いて死んでしまった。
それで天照大御神はこの事件を見て恐れて、天の岩戸を開き、その戸を閉ざしておこもりになられた。その後、速須佐之男は高天原から罰として、髭を切り、手足の爪を抜かれて追放された。 須佐之男が大宜津比売に食物を求めたところ、大宜津比売は鼻や口また尻からいろいろなご馳走を取り出して差し上げた。須佐之男は、その仕業をのぞき見して、食物を汚くして自分に差し出すのだと思って、即座に大宜津比売を殺してしまわれた。殺された神の体からは、頭には蚕、目には稲種、耳には粟、鼻には小豆、陰部には麦、尻には大豆が生まれた。<ref>日本古典文学全集1 古事記・上代歌謡 荻原浅男他校注・訳 小学館 1973年 80-85p</ref></blockquote>
とある。