:一匹の状態では、ゾウやサイなど異種とも群れを作ろうとする<ref>YouTube、RhF7r5ayZvA、シロサイと仲良くなったヒツジ、ナショジオ、ナショナルジオグラフィック</ref>。
== 神話など ==
=== キリスト教での象徴性 ===
キリスト教、またその母体となっユダヤ教では、ヤハウェ(唯一神)やメシア(救世主)に導かれる信徒たちが、しばしば羊飼いに導かれる羊たちになぞらえられる。旧約聖書では、ヤハウェや王が羊飼いに、ユダヤの民が羊の群れにたとえられ(エレミヤ書・エゼキエル書・詩篇等)ている。
また、旧約聖書の時代、羊は神への捧げもの(生贄)としてささげられる動物の一つである。特に、出エジプト記12章では、「十の災い」の最後の災いを避けるために、モーセはイスラエル人の各家庭に小羊を用意させ、その血を家の入り口の柱と鴨居に塗り、その肉を焼いて食べるというたとえ話がある。のちに、出エジプトを記念する過越祭として記念されるようになる。
また、羊の肉はユダヤ教徒が食べることができる肉として規定されている。カシュルートを参照のこと。
新約聖書では、「ルカ福音書」(15章)や「マタイ福音書」(18章)に「迷子の羊と羊飼い」のたとえ話の節がある。愛情も慈悲も深い羊飼いは、たとえ100匹の羊の群れから1匹が迷いはぐれたときでも、そのはぐれた1匹を捜しに行くとしている。この箇所は隠喩となっており、はぐれた羊は、神から離れた者、神に従わない反抗者、罪を犯す者を表し、また羊飼いについては創造主である神を例えている。福音書では、どのような者であっても同じように愛し、気にかけ、大切に想う神の愛を示している。
「ヨハネ福音書」ではイエスが「私は善き羊飼いである」と語るが、イエス自身も「世の罪を取り除く神の小羊」と呼ばれる(1章29節)。
この「神の小羊」は、イエスが後に十字架上で刑死することにより、人間の罪を除くための神への犠牲となる意味があり、イエスが刑死したのも前述の過越祭の期間であったことから、パウロは第一コリント5章7節で、イエスは「過越の小羊として屠られた」と表現する(ミサ・ミサ曲)。
また、「ヨハネ黙示録」において、天上の光景のなかで啓示されるイエスの姿は「屠られたような」「七つの目と七つの角」を持つ小羊の姿である(5章他)。
=== イスラム教の犠牲祭 ===
イスラム教国においてはヒツジはもっとも重要な家畜の一つであり、特にサウジアラビアや湾岸諸国においてはハラールに適応するようオーストラリアなどから生きたまま羊を輸入し、自国にて屠畜し食肉とすることが行われる。また、ヒツジはイスラム教の祭日であるイード・アル=アドハー(犠牲祭)においてもっとも一般的な生贄である。この日はハッジの最終日に当たり、メッカ郊外のムズダリファにおいてヒツジや[[ラクダ]]、[[牛]]など50万頭にものぼる動物が生贄にささげられる<ref>「メッカ」p157 野町和嘉 岩波書店 2002年9月20日第1刷</ref>。メッカ以外の、巡礼に参加しなかったムスリムも動物を1頭捧げることが求められており、イスラム教諸国においてヒツジが買われ、神に捧げられる。捧げられた肉は自らの家庭で消費するほか、施しとして貧しい人々に分け与えられる。
== 歴史 ==
* [[おひつじ座]]
* 闘羊
=== キリスト教での象徴性 ===
キリスト教、またその母体となっユダヤ教では、ヤハウェ(唯一神)やメシア(救世主)に導かれる信徒たちが、しばしば羊飼いに導かれる羊たちになぞらえられる。旧約聖書では、ヤハウェや王が羊飼いに、ユダヤの民が羊の群れにたとえられ(エレミヤ書・エゼキエル書・詩篇等)ている。
また、旧約聖書の時代、羊は神への捧げもの(生贄)としてささげられる動物の一つである。特に、出エジプト記12章では、「十の災い」の最後の災いを避けるために、モーセはイスラエル人の各家庭に小羊を用意させ、その血を家の入り口の柱と鴨居に塗り、その肉を焼いて食べるというたとえ話がある。のちに、出エジプトを記念する過越祭として記念されるようになる。
また、羊の肉はユダヤ教徒が食べることができる肉として規定されている。カシュルートを参照のこと。
新約聖書では、「ルカ福音書」(15章)や「マタイ福音書」(18章)に「迷子の羊と羊飼い」のたとえ話の節がある。愛情も慈悲も深い羊飼いは、たとえ100匹の羊の群れから1匹が迷いはぐれたときでも、そのはぐれた1匹を捜しに行くとしている。この箇所は隠喩となっており、はぐれた羊は、神から離れた者、神に従わない反抗者、罪を犯す者を表し、また羊飼いについては創造主である神を例えている。福音書では、どのような者であっても同じように愛し、気にかけ、大切に想う神の愛を示している。
「ヨハネ福音書」ではイエスが「私は善き羊飼いである」と語るが、イエス自身も「世の罪を取り除く神の小羊」と呼ばれる(1章29節)。
この「神の小羊」は、イエスが後に十字架上で刑死することにより、人間の罪を除くための神への犠牲となる意味があり、イエスが刑死したのも前述の過越祭の期間であったことから、パウロは第一コリント5章7節で、イエスは「過越の小羊として屠られた」と表現する(ミサ・ミサ曲)。
また、「ヨハネ黙示録」において、天上の光景のなかで啓示されるイエスの姿は「屠られたような」「七つの目と七つの角」を持つ小羊の姿である(5章他)。
=== イスラム教の犠牲祭 ===
イスラム教国においてはヒツジはもっとも重要な家畜の一つであり、特にサウジアラビアや湾岸諸国においてはハラールに適応するようオーストラリアなどから生きたまま羊を輸入し、自国にて屠畜し食肉とすることが行われる。また、ヒツジはイスラム教の祭日であるイード・アル=アドハー(犠牲祭)においてもっとも一般的な生贄である。この日はハッジの最終日に当たり、メッカ郊外のムズダリファにおいてヒツジや[[ラクダ]]、[[牛]]など50万頭にものぼる動物が生贄にささげられる<ref>「メッカ」p157 野町和嘉 岩波書店 2002年9月20日第1刷</ref>。メッカ以外の、巡礼に参加しなかったムスリムも動物を1頭捧げることが求められており、イスラム教諸国においてヒツジが買われ、神に捧げられる。捧げられた肉は自らの家庭で消費するほか、施しとして貧しい人々に分け与えられる。
=== シープドッグ ===
=== その他 ===
* 怒った雄羊の突撃には相当な威力がある。ここから転じて[[ローマ軍]]で用いられた[[破城槌]]の先端には、鉄や青銅で出来た雄羊の頭の像が取り付けられた。 ;オークション*[[2009年]]、「デブロンベール・パーフェクション」という名の羊が23万ポンド(約3200万円)で落札された。*[[2020年]][[8月]]に[[スコットランド]]の[[ラナーク]]で行われたオークションで、「ダブル・ダイヤモンド」という名のテクセル種の子羊が35万ギニー(イギリスの家畜の売買では、通貨の単位として伝統的に[[ギニー]]が使われる)(約5200万円)で落札された。<ref>{{Cite web|url=https://www.cnn.co.jp/fringe/35158925.html|title=羊一頭、史上最高額の5200万円で落札 英国|accessdate=2020-9-3|publisher=CNN}}</ref>怒った雄羊の突撃には相当な威力がある。ここから転じてローマ軍で用いられた破城槌の先端には、鉄や青銅で出来た雄羊の頭の像が取り付けられた。
== 参考文献 ==
* Wikipedia:[[秋篠宮文仁親王|秋篠宮文仁https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%84%E3%82%B8 ヒツジ]]『日本の家畜・家禽』、学習研究社、2009年、ISBN (最終閲覧日:23-01-10)** 秋篠宮文仁『日本の家畜・家禽』、学習研究社、2009年、ISBN 978-4-05-403506-5** 賀来孝代「未 ヒツジ」、設楽博己編『十二支になった動物たちの考古学』、新泉社、2015年** 小林忠太郎「民営牧羊経営の成立と崩壊」、栗原藤七郎・編『日本畜産の経済構造』、東洋経済新報社、1962年。** 佐々倉実・佐々倉裕美『ひつじにあいたい』、山と渓谷社、2009、ISBN 978-4-635-23025-4** 下総御料牧場『下総御料牧場概観』、1903年。** 正田陽一『世界家畜品種事典』、東洋書林、2006年、ISBN 4-88721-697-1** 正田陽一『品種改良の世界史・家畜編』、悠書館、2010年、ISBN 978-4-903487-40-3** 百瀬正香『羊の博物誌』、日本ヴォーグ社、2000年、ISBN 978-452-903427-2 == 関連項目 == ;料理* [[モモ (料理)]]* [[ガンファン]]:中央アジアで食される「羊丼」* [[クッベ・ナーイエ]] 東アラブで食されるタルタルステーキ様の料理。
== 外部リンク ==
== 参照 ==
{{DEFAULTSORT:ひつし}}
[[Category:羊|*]]
[[Category:東欧神話]]