差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
522 バイト追加 、 2022年3月2日 (水) 07:16
編集の要約なし
キリスト教化された後は、トムテは悪魔と同一視されていたが、後にアメリカの影響を受け、スウェーデン版のサンタクロース、ユールトムテとみなされるようになった。ユールトムテはトナカイやヤギの引くソリでやって来て、子供たちにプレゼントを配る。
==トムテの外見と性格==
トムテは垂れ下がった灰色の髭をはやし、指は4本である。また、耳は尖っており、暗闇では目から光を放つとも考えられている<ref>[http://www.indobase.com/holidays/christmas/characters/tomte.html Tomte Mythical Creature Scandinavia - Christmas Legends]</ref>。背丈は小さな子供くらいで、灰色か濃紺のぼろぼろの服をまとい、鮮やかな赤の帽子を見せびからかすようにかぶっている<ref name>[http://www.ingebretsens.com/culture/traditions/legend-of-nisse-and-tomte Ingebretsen's Scandinavia Gifts - Gifts - Culture > Traditions > Legend of the Nisse and the Tomte]</ref>。トムテは、元々はスカンディナヴィアの民間伝承から生まれたものである。農家の食糧貯蔵庫や納屋を住処にしており、農夫やその家族が幸福に暮らせるようにしている<ref>[http://www.isatokyo.org/opportunity_sweden/?a=people/021216 Oppotunity Sweden : トムテ- スウェーデン農家の守り人、サンタクロース]</ref>。
また、ノルウェーにはニッセがいる。トムテのノルウェー版で、一人ぼっちでいたずら好きな、家の中に住む妖精で、作物の出来と農場の繁栄を左右する。ちなみにこのニッセという言葉は、スカンディナヴィア諸国でニコラスを意味するニルスに由来している。
== グリムとニス ==グリムはにすとはニクルス(Nicls)、ニクルセン(Niclsen)つまりNicolaus、ニクラス(Niclas)だと考える。これらはドイツや北欧でありふれた名前である。<ref>「妖精の誕生」 トマス・カイトリー著、市場泰男訳、社会思想社、教養文庫、119p</ref> ==ユールとトムテ==
クリスマス・イヴには、トムテも家族同様に御馳走を食べられるよう、テーブルの上には食物を残して置く習慣がある。それを忘れると不幸が訪れるという。御馳走にあずかることができたトムテは、その家や農場に繁栄をもたらし、逆にあずかれなかったトムテは、隣家から食べ物を盗むという伝説もある。キリスト教化される前のトムテは、プレゼントを上げるのではなくもらう方だった。トムテの仕事への見返りとして、ユール<ref>本来キリスト教化後はクリスマスとなるが、北欧では今もクリスマスをユールと呼ぶため、ここでは一部を除きユールで統一する。</ref>に報酬としてバターを落とした一椀のユールグロット(ミルクで煮込んだライスポリッジ)を与えられ、納屋にこの粥を置いたり、戸口の上り段や戸外に出しておいた。ユールに粥を食べられなかったトムテは、その農家や家族を見捨て、いたずらをした。たとえば物を壊したり、家畜を悩ませたりといった具合にである。また、トムテに与えられた粥を盗み食いする者はいなかった。
==サンタクロースとしてのトムテ(現代のトムテ)==
スウェーデンでは、サンタクロースは、ユールトムテ(クリスマスのトムテ)として知られている。元々サンタクロースのモデルは聖ニコラウスであり、北欧の森に住むトムテとは関わりがなかった。しかしスウェーデンがキリスト教化された後、土着の伝統とキリスト教会の教えを合体させるようになり、異教徒の冬至の祭であったユールが、クリスマスとなって行ったのである。スウェーデンのユールは、12月13日の聖ルチア祭の日から始まり、独自性に富んでいる。ユールのディナーの後の記念撮影には、家族の誰かが扮装したトムテも納まっている。
20世紀に入ると、アメリカ文化の影響、特に商業主義的なクリスマスの文化の影響を受け、スウェーデンにおけるサンタクロースのイメージを与えられ、ユールトムテと呼ばれるようになった。またトムテは夜の間に子供たちにプレゼントを配るが、こっそり配るのではなく、直に子供たちに渡す。トムテの移動手段はサンタクロースが乗っているようなソリで、トナカイが引いているとも、ヤギの引くソリで、子供たちにプレゼントを配るともされる。キリスト教化以前は、トールが2頭のヤギが引く馬車に乗って、空を横切ってくると信じられていた。馬車につながれたオスのヤギは、聖者ニコラスによって征服された魔王の象徴で、子供たちに贈り物をする主人に同行する定めとなっている。今はこのヤギも藁で作られ、親しみのあるユールのシンボルとなっている。
==関連項目==
*[[エルフ]]
*[[トロール]]
*[[太陽と木と鳥2]]
 
==参考文献 ==
★★★☆☆:レベル3
* 「妖精の誕生」 トマス・カイトリー著、市場泰男訳、社会思想社、教養文庫
== 参照 ==

案内メニュー