== イヌとの関係 ==
従来はオオカミの近縁種とされていた[[イヌ]](イエイヌ)は、近年ではオオカミの一亜種 {{snamei|Canis 従来はオオカミの近縁種とされていたイヌ(イエイヌ)は、近年ではオオカミの一亜種(Canis lupus familiaris}} とする見方が主流になりつつある。ただし、日常語としての「オオカミ」には通常、イヌは含まれない。イヌはオオカミが飼い馴らされて[[家畜化]]したものと考えられている。familiaris)とする見方が主流になりつつある。ただし、日常語としての「オオカミ」には通常、イヌは含まれない。イヌはオオカミが飼い馴らされて家畜化したものと考えられている。
アメリカアカオオカミ、コヨーテ、アビシニアジャッカルとは相互に交配可能で、野生下でも雑種個体が生じ、繁殖力も有しているため生物学的種の定義に照らせば亜種であり、別種ではない。種と亜種の区分は慣習的不合理性が残存していることの一例である。亜種によっては[[絶滅]]が危惧される。日本で古来「狼」と呼ばれてきた動物は[[絶滅]]したとされる[[ニホンオオカミ]]であり、タイリクオオカミの一亜種と見なされる。ニホンオオカミは、12万 アメリカアカオオカミ、コヨーテ、アビシニアジャッカルとは相互に交配可能で、野生下でも雑種個体が生じ、繁殖力も有しているため生物学的種の定義に照らせば亜種であり、別種ではない。種と亜種の区分は慣習的不合理性が残存していることの一例である。亜種によっては絶滅が危惧される。日本で古来「狼」と呼ばれてきた動物は絶滅したとされるニホンオオカミであり、タイリクオオカミの一亜種と見なされる。ニホンオオカミは、12万 - 13万年前に枝分かれした亜種であり、ハイイロオオカミと同じ種であるとの遺伝子解析結果を、[[岐阜大学]]の石黒直隆教授と松村秀一教授らのチームがまとめた。13万年前に枝分かれした亜種であり、ハイイロオオカミと同じ種であるとの遺伝子解析結果を、岐阜大学の石黒直隆教授と松村秀一教授らのチームがまとめた。
[[今泉忠明]]はイヌとオオカミの違いが出る部分として[[胸郭]]を挙げる。オオカミの胸郭はイヌの胸郭よりも幅が狭く、深い(上下の高さが高い)。オオカミの胸郭が深いのは[[肋骨]]が比較的長く、狭いのは肋骨が後方に寝ているためだという。具体的には肋骨頸(肋骨上部の胸椎と関節する部分)が前方に曲がっているために、肋骨体(肋骨の主部)が立ち上がっている形状になっているイヌの胸郭に対して、オオカミの胸郭は肋骨頸の曲がりが殆どないため後ろに寝てしまうのだという。オオカミの胸郭は幅が狭くても深さがあるためにイヌの胸郭と容積的には大差がないが、深呼吸をする際にはオオカミの胸郭は普段は肋骨を寝かせている分だけ、一層胸郭の容積を大きくすることができ、イヌよりも深い呼吸が出来るのだという<ref>今泉忠明『絶滅野生動物事典』([[KADOKAWA]]<角川ソフィア文庫>、[[2020年]])ISBN 978-4-04-400527-6)p.85</ref>。
== 分布・亜種 ==
[[画像:Wiki-Canis lupus (tr).png|thumb|251px|upright|亜種の分布]]
[[北半球]]に広く分布する。分布域が広いタイリクオオカミは多くの亜種に細分化される。現存の亜種は33([[絶滅種]]含め39亜種)に分類されてきたが、近年の研究で現存13亜種、絶滅2亜種への統合が提案されている。
* {{snamei|Canis lupus albus}}([[ツンドラオオカミ]]、[[シベリアオオカミ]])